事業承継と遺留分対策

1. 事業承継と遺留分対策の必要性

s_ND4_0234遺留分とは、相続財産のうち一定の最低限度の取り分を法定相続人に保障する制度です。

会社支配権を移転する場合、遺言等で会社支配権を構成する株式を後継者となる相続人に移転する方法が簡便ですが、それだけで全ての問題が解決するわけではありません。

といいますのも、現経営者の有する財産のうち、かなりの割合を自社株式や事業用財産が占めていれば、後継者となる相続人以外の相続人に対して、遺留分を意識した対策が必要となります。  

もしその対策を怠ると、後日、後継者が後継者以外の相続人から遺留分減殺請求を受けた場合、会社支配権を構成する株式を保持するために代償金として現金を支払ったり、株式を手放したりしなければならないおそれがあり、当初予定していた円滑な事業承継自体ができなくなるかもしれません。

そこで、会社支配権を移転する際には、後継者以外の相続人の遺留分を侵害していないか、もし侵害しているとすればどのような対策をとるかといったことを考える必要があります。
 

2. 遺留分の対策方法

(1)会社支配権を移転する際に考えられる遺留分の対策には、次のような方法が考えられます。
  
  ① 遺言で後継者以外の相続人に対して、事業用資産以外の財産について、
   「遺留分相当額の財産を移転する」と規定する
  ② 遺留分権利者に事前放棄してもらう
  ③ 経営承継円滑化法の特例を利用する
  ④ 生命保険を活用するなどして、価格弁償の準備をする

(2)①は、現経営者の有する財産のうち、事業用資産以外の財産として、遺留分相当額を有している必要があります。

②と③については、推定相続人の同意が必要ですので、相続人間の人間関係によっては、実現が困難かもしれません。

実務的には、④の方法を活用される例が多いでしょう。特に生命保険を利用する場合、非課税枠の適用も可能であり、節税にもなり得ますので、是非一度ご検討ください。

非上場会社を経営されている方や後継者の方、そのご家族の方で事業承継をお考えの方は、承継方法について、一度専門家にご相談されることをお勧めします。


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