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相続税の申告と税務調査

 相続税の申告を行った後,税務調査が入る割合がどれくらいかご存知でしょうか?

申告全体のうち2~4割と言われています。

この割合は,所得税や法人税について調査が入る割合に比べ,非常に高いといえます。

そして,調査が入った場合に申告漏れを指摘される割合は9割を超えているのが実態です。

それでは,どのような場合に相続税について税務調査が行われるのでしょうか?

国税庁がホームページで発表している基準によれば,調査実施年の2年前に発生した相続を中心に,国税局及び税務署で収集した資料情報等から,過少申告や無申告が想定される事案等について実施しているとのことです。

無申告の場合は一目瞭然ですが,この基準だけでは,具体的にどのような場合に税務調査が入るのかよくわからず,不安に思われる方も多いと思います。

 

一般に,次のような場合には,注意が必要だと言われています。

  • 1.申告書に不備や誤りがある場合
  • 2.被相続人の確定申告書から推定される財産よりも申告された相続財産が明らかに少額である場合
  • 3.相続人の財産が非常に多い場合
  • 4.実質的には被相続人の財産だと思われるものが家族名義になっており申告の対象になっていない場合
  • 5.相続財産が数億円を超える場合

申告漏れが指摘された場合,本来支払うべき部分の追加に加え,延滞税と加算税という追徴課税を課されることになります。

また,悪質とみなされると,刑事罰の可能性もあるのです。

故意に脱税をすることは許されることではありませんが,相続税の場合,財産を管理していた被相続人は亡くなっているわけですから,意図せず申告漏れを生じさせてしまう恐れも少なくありません。

このような事態を避けるためには,十分に被相続人の財産を調べ上げる必要があります。

具体的には,金融機関に照会をかけたり,判明している被相続人の預貯金口座の取引履歴を精査して他に相続財産が存在しないか調査したりする,といったことが必要となりますが,漏れのないようにこれらの財産調査を行うこと自体,手間と時間のかかる作業であり,場合によっては専門的知見が必要になることもあります。

申告漏れを避けるためには,弁護士や税理士と連携を取り,十分な調査を行った上で申告をすることも重要です。

特に,被相続人の財産を十分把握できていない場合や,不動産や有価証券が多く財産が複雑である場合,また相続財産が非常に高額に及ぶ場合などには,専門的知見が必要になることが多いため,相続に強い弁護士や税理士への相談をお薦めいたします。