遺言書作成時における財産の記載方法の注意点

遺言書を作成しようとお考えになられた場合、財産を記載するにあたっては、多くの注意すべき点があります。

1 不動産の表示について


不動産をお持ちの方は、不動産の表示をするにあたっては、固定資産評価証明書の表記を転記せず、登記簿全部事項証明書の表記をするようにしてください。両者の表記は同じと思い込み、前者の表記を転記するおそれがありますが、両者の表記は異なります。前者の表記を転記してしまったがため
に、遺言書による移転登記が速やかにできなくなるおそれがありますので、ご注意ください。

2 遺産に漏れがないように


遺産に漏れがあると、その財産は遺産分割手続をせざるを得ず、代償金支払の問題も発生します。特に、私道をお持ちの方は失念しがちですので、ご注意ください。また、家財道具その他の動産類の処分を明確にしておいてください。そのような問題を避けるためには、「その他一切の財産を~に相続させる」との文言を入れておくようにしてください。また、「その他一切の財産」の中に負債を含めるか、遺言書に明示された財産以外の財産が判明した場合の措置をどうするか等も検討しておく必要がございます。

3 証券会社における取引内容を記載する際の注意点


遺贈の対象として、証券会社における取引内容を記載する際には、次の点に注意してください。まず、証券会社の取引口座を特定明示しているにも拘らず、その表題として「株式」とのみ表示していたため、特定表示した取引口座に含まれる株式のみを対象とした遺贈と解釈せざるを得ず、その口座に含まれる他の資産(投資信託や預り金など)を遺贈の対象とできなくなかった例があるようです。
また、証券会社における取引口座に含まれる取引内容を個別に記載した(例えば投資信託など)がために、遺言の効力発生時には、その商品の取扱いがなく、契約内容が変わっていたために、遺言の対象から外れてしまった例があるようです。そこで、遺贈の対象として証券会社における取引内容を記載する場合には、表題や取引内容をある程度包括的・網羅的に記載するようにした方がよいでしょう。

4 「金融資産」表記と現金 


「金融資産」の直後に(預貯金債権、信託受益権、有価証券等)とのみ記載し、現金を記載しなかった場合に、「金融資産」に現金が含まれるか否か争いとなるおそれがあります。企業会計基準においては、「金融資産」には「現金」も含まれると考えられていますし、現金が僅少ならばさほど不都合はないかもしれません。ただ、多額の現金があった場合、争いとなる可能性があります。そこで、「金融資産」に現金を含めるのか、除外するのか、明示するようにしてください。

 

このように、遺言書を作成するにあたって、財産を記載する方法には多くの注意点がございます。遺言書の作成をお考えの方は、相続に詳しい専門家にご相談されることをお勧めします。

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