「遺産の使い込み(使途不明金)を取り戻すには?期限や証拠の集め方を弁護士が解説」
まずは確認!使い込みを取り戻すための「3つの条件」
✓客観的な「証拠」があるか
単なる「怪しい」「性格的にやりそうだ」という推測では足りません。裁判では客観的資料が重視されます。
例えば、預金通帳や取引履歴、ATMの払戻記録、、LINEやメールのやり取りなど客観的な資料が必要となります。
✓「時効」成立していないか
不当利得に基づく利得返還請求や不法行為に基づく損害賠償請求には時効があります。不当利得で構成した場合、使い込みを知ってから5年あるいは使い込みのときから10年、不法行為で構成した場合、使い込みを知ってから3年あるいは使い込みの時から20年となります。そのため、早期対応が重要です。
✓相手に「支払い能力」があるか
仮に勝訴しても、相手に財産がなければ回収は困難です。勝訴し、債務名義を得た後の強制執行を見据え、現実的な回収先となる預金や不動産、給与の有無なども検討すべきポイントです。
使途不明金を取り戻せる可能性が高いケース
使途不明金を取り戻すためには、不当利得に基づく利得返還請求(あるいは不法行為に基づく損害賠償請求)が認められる必要があります。そして、その際には相続人による遺産の使い込みがあったのかが重要なポイントとなります。例えば、被相続人が施設に入院している中で、生活費のほぼ全てが含まれる施設利用料が引き落とされているにもかかわらず、それとは別にさらに相続人による多額の出費があるような場合には、その出金が被相続人のためには使われていないことを疑わせ、相続人による遺産の使い込みがあったことが認められやすくなります。
取り戻すのが難しいケース
上記2とは、反対に、取り戻すのが難しいケースは、相続人による出金が遺産の使い込みではなく、正当な出金であった場合等です。例えば、出金の理由が医療費や介護費など正当な支出と説明できる場合がこれに当たります。特に生前贈与との区別は争点になりやすく、証拠の有無が結果を大きく左右します。
「使い込み」を見抜く調査ポイント
✓取引履歴の取得
金融機関は、過去10年分の取引履歴を開示してくれることが多いので、特定の相続人が被相続人の預金を管理し始めた頃など使い込みが始まったと疑われる時期以降から、現在までの取引履歴を開示することになります。
✓取引履歴のチェックリスト
・短期間に集中した高額出金はないか
・毎月定額の不自然な振込はないか
・被相続人の生活状況と支出が一致しているか
・死亡直前の不自然な動きはないか
時系列で一覧化すると、不自然なパターンが見えやすくなります。
自分での調査に限界を感じたら(弁護士会照会)
遺産の調査を個人で行うことには限界があります。弁護士に依頼すれば「弁護士会照会」により金融機関などへ正式な照会が可能です。これにより、多数の金融機関に預貯金の有無を照会したりすることが可能になります。
使い込みを取り戻すための具体的な手順
いきなり裁判ではなく、以下の順で段階的に進めるのが一般的です。証拠が揃っていれば、②の交渉段階で解決することもあります。
①証拠収集(通帳・履歴の確保等)
②話し合い・示談交渉
③調停申立て
④訴訟提起
注意!放置すると危険な「時効」の話
使途不明金問題は「様子を見る」が最も危険です。
時効は自動的に進行し、完成すると原則として請求できなくなります。また、証拠も時間とともに散逸します。
そのため、少しでも疑問があれば、早めに専門家へ相談することを強くおすすめします。
使途不明金問題は当事務所にご相談ください
法律事務所瀬合パートナーズでは、使途不明金問題を含めた相続に関する様々な問題のご相談を多くいただいております。遺産の使い込みは、感情と法律が交錯する難しい問題ですが、適切に証拠を収集し、法的主張を組み立てることが出来れば、解決への道筋は見えてきます。お気軽にご相談ください。










