相続財産が使い込まれた
相続財産が使い込まれたかもしれないと思ったら

親が亡くなった後、遺産である預金が思っていたよりも少なかったので、預金口座を調査したところ、生前に預金が出金されていたということがあります。
✔ 親が施設に入っている期間に預金が引き出されている
✔ 必要な生活費以上に多額の預金が引き出されている
✔ 自分の兄妹が親の預金口座を管理していて内容を教えてくれない
このような場合は、親族の誰かが勝手に使ったのではないかと疑われることもあるかもしれません。
もし誰かによって相続財産が使い込まれていた場合は、その返還を求めることを検討する必要があります。
まずは預貯金の調査を行う

✔ まずは取引履歴を取り寄せる
相続財産の使い込みが疑われる場合は、まずは被相続人名義の預貯金の口座の取引履歴を取り寄せます。
法定相続人であれば、一人で被相続人の口座の取引履歴の開示を金融機関に求めることができます。
✔ 預金の管理開始から現在までの取引履歴を取る
金融機関はおおむね過去10年分の取引履歴の開示に応じてくれるところが多いです。
もっとも、10年分全部の取引履歴の開示を求めると、金融機関に支払う手数料が高くなるため、必要な期間分の取引履歴を求めるのが良いでしょう。
使い込みが始まったと疑われる時期、例えば、被相続人が施設に入所した時期以降や、親族の誰かが被相続人の預金を管理し始めた時期以降から現在までの取引履歴を取得します。
取引履歴の内容をチェックする

取引履歴を取り寄せたら、その内容をチェックしましょう。
✔ 生活費とは思えないような高額の出金がなされている
✔ 長年預けてきた定期預金が解約されてい
✔ いつもと違うパターンの出金がある
✔ 出金パターンが突然変わった
などがチェックするポイントになります。
誰が預金を引き出したか

相続財産の使い込みが疑われる出金があれば、その出金を誰が行ったのか特定できるか検討します。
例えば、施設に入所している親から通帳などの管理を任せられている子がいて、通帳や印鑑、キャッシュカードなどを保管している人がいるか等を確認します。
実際に親から通帳を預かって口座から出金を行っていた子がいる場合、自分が出金したことは事実であると認めるケースもあります。
このため、出金したと思われる人に直接聞いてみるというのも一つの方法です。
無断で出金されたものか

口座から預金を出金した人がわかった場合、次に、それが被相続人に無断で出金されたものか、被相続人の意思に基づいて出金されたものかを検討します。
出金された日には、被相続人が認知症などで金銭管理について理解できない精神状態であったなどの事情があれば、被相続人に無断で出金されたと考えられます。
被相続人のために使われたか
被相続人の口座から無断で預金が出金された場合でも、そのお金が被相続人の入院費、施設費など被相続人のために使われたものかどうかを確認します。
例えば、入所している施設の利用料が被相続人の口座から毎月引き落とされており、その利用料の中には生活費のほぼ全てが含まれているのに、それとは別に毎月多額の出金がなされているような場合は、被相続人のために使われたものではない可能性が考えられます。
使い込んだ相続財産の返還を求める
親の死後、相続財産の使い込みがあったことが判明した場合は、使い込みをした相手に対して、自分の相続分の割合に従い、その返還を請求することができます。
まずは話し合いによって返還を求めますが、話し合いで解決できない場合は、調停や訴訟などの法的な手続を取ることを検討します。
証拠を確保しておく

相続財産を使い込んだ相手に返還を求める場合、どのような証拠を確保しておけば良いでしょうか。
例えば、以下のような証拠が考えられます。
✔ 被相続人の預貯金口座の取引履歴
✔ 入出金伝票
✔ 被相続人についての診断書やカルテ(認知症や寝たきりであった等)
✔ 介護認定の調査票等
✔ 施設に入所している場合は施設の利用料金等がわかる明細書など
不審な出金があったけれどどうすればよいかわからない、使い込みがあったか調査したいという場合は、是非法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください。










