生前贈与とは
第1 生前贈与と相続
相続対策として行う贈与のことを「生前贈与」と呼ぶことが多いようです。
生前贈与と相続の違いは何でしょうか。
まず、生前贈与と相続は、財産が移転するタイミングが違い、生前に移転・死後に移転することが大きな違いです。
次に、税金が異なり、生前贈与には贈与税、相続には相続税が課税されることになります。贈与税の方が相続税より税率が高いですが、生前贈与をうまく使えば節税になります。
第2 贈与税について
1 贈与税の課税方式
贈与税の課税方式には、「暦年課税方式」と「相続時精算課税方式」の2種類があり、どちらかを選択することができます。
「暦年課税方式」とは、1年ごとの贈与に対して贈与税を課す方式です。よく聞く「1年間でもらった金額が110万円以下であれば贈与税がかからない」というものが、暦年課税方式によるものです。
これに対し、「相続時精算課税方式」とは、一定の条件下の贈与について、本来発生するべき贈与税を、相続時に相続税で精算することを前提に課すものです。
2 「暦年課税方式」を用いた節税の方法
暦年課税方式を選択すれば、年間110万円以下の贈与であれば贈与税がかかりません。
このため、相続人に毎年110万円を贈与することを繰り返せば、課税されることなく相続人に財産を移すことができます。この贈与により相続財産が減ることになるので、相続税の節税になります。
ただし、死亡前7年以内にした贈与は相続扱いとなり、その贈与がなかったものとして相続税の計算に含まれることになるので注意が必要です。
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