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無断で相続手続をされた場合の対応方法

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第1 無断で相続手続がなされているケース

 相続の書類に印鑑を押した覚えはないのに、いつのまにか相続の手続がなされ、相続財産が他の相続人の名義になっていることがあります。
 このようなことが起こる原因としては、次のようなことが考えられます。

 1 遺言書によって相続手続がなされているケース
 2 遺言書が偽造されているケース
 3 遺産分割協議書が偽造されているケース
 4 相続放棄申述書が偽造されているケース

 以下、具体的な対処方法を見ていきましょう。

第2 遺言書によって相続手続がなされているケース

1 有効な遺言書がある

 被相続人が有効な遺言書を遺している場合は、原則として遺言の内容にしたがって相続することになります。
 例えば、「長男に全財産を相続させる」という公正証書遺言が遺されていた場合、他の相続人が関与しないまま遺言が執行される場合があります
 気がついたときには、相続財産であるはずの不動産の名義も長男に変更され、預貯金も全部引き出されているということがあります。

2 対処方法

 この場合、侵害された自分の遺留分を請求することが考えられます(民法1042条以下)。
 このとき不動産などの相続財産そのものを取り戻すのではなく、侵害された遺留分に相当する金銭の支払いを受けることになります(民法1046条)。
 また、認知症であったのに遺言書が作成されている等、遺言書が無効であると疑われる場合は、遺言無効を主張することを検討します

第3 遺産分割協議書が偽造されているケース

1 遺産分割協議書が偽造されている

 自筆証書遺言が偽造され、その偽造された遺言書で相続手続がなされている場合があります。
 また、例えば、認知症で遺言能力がない人が遺した遺言書によって、相続手続がなされている場合もあります。
 遺言書の形式が整っていれば、それが法的に無効なものであっても、その遺言書どおりに相続手続がなされてしまう場合があるのです。

2 対処方法

 遺言書が無効であることを争うかを検討します。
 遺言書が無効になれば、原則として法定相続分どおりに相続することになります。
 このとき、遺言書を偽造した相続人は、相続欠格(民法891条5号)に該当し、相続資格が認められなくなります。このため、残りの相続人で遺産を分けることになります
 もっとも、遺言書の無効を争う場合は、無効であることを証明する証拠を収集しなければなりません。また、話し合いでの解決が難しいこともあり、裁判になることも珍しくありません。
 このため、あえて遺言書の無効を争わず、遺留分侵害額請求を行う方針を取ることも一つの方法です。

第4 遺産分割協議書が偽造されているケース

1 遺産分割協議書が偽造されている

  あまりないケースですが、他の相続人が遺産分割協議書を偽造して、その偽造された遺産分割協議書によって相続手続がなされていることがあります。
 他の相続人に頼まれるまま、何らかの相続関係の書類に印鑑を押した、言われるまま印鑑登録証明書を渡した、ということがある場合は、このような偽造がなされていることがあります。

2 対処方法

 遺産分割協議書が無効であることを主張し、法定相続分に従った相続を行います。
 遺言の無効を主張する場合と異なり、遺産分割協議書が偽造されたケースは、偽造した側にも心当たりがある場合が多いです。
 このため、遺産分割協議のやり直しに応じてくる場合も多くあります。
 また、話し合いに応じない場合は、調停や、遺産分割協議無効確認訴訟等の法的手続をとることを検討します。

第5 相続放棄申述書が偽造されているケース

1 相続放棄申述書が偽造されている

 これもあまりないケースですが、他の相続人によって相続放棄申述書が偽造され、勝手に裁判所に提出されて受理された場合、ご自身が相続手続に関与することができないまま相続手続を進められてしまう可能性があります。

2 対処方法

 相続放棄の無効を主張して、法定相続分に従った相続を行います。
 相続放棄の申述の受理は、家庭裁判所において行われているため、その放棄が無効であることを争うには、裁判手続を行うことが有効な場合もあります。
 自分が知らないうちに無断で相続手続が行われた場合は、ぜひ法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください。

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