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経営者のための生命保険による相続対策

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第1 生命保険を利用した納税資金の確保

 相続対策全般においてもっともよく利用されるのが生命保険です。
 また、事業承継対策全般においても生命保険の検討は欠かせません。

 非上場株式の事業承継の場合、株式の換金性が乏しいことや、株式を分散して相続させることが適当ではないので、事業承継者である相続人にとっては資金確保が重要です。

第2 個人契約の場合

個人契約における生命保険のメリットとしては、次の点があげられます。

【個人契約でのメリット】
すぐに現金化できる
②生命保険金は遺産分割の対象外となる
相続放棄をしても受け取れる
④相続税の節税になる

1 すぐに現金化できる

 生命保険金は、相続発生後、すぐに現金化できるので相続人の資金確保が可能となります。
 例えば、相続人の一人に会社の株式を相続させる場合、他の相続人に対して代償金を支払わなければならないことがありますが、このとき株式を相続させる相続人を生命保険金の受取人とすることで、代償金の支払い資金を確保させることができます。不動産を相続人の一人に相続させるような場合も同様です。

2 遺産分割の対象外となる

 生命保険金は、保険契約に基づき受取人が取得する権利であるため、被相続人の相続財産ではなく、遺産分割の対象外となります。
 相続人の一人が多額の生命保険を受け取り、その保険金の額の遺産総額に対する比率が高いなど(6割を超えるなど)、「相続人間で生ずる不公平が著しい」と認められる特段の事情がない限り、相続財産に持ち戻す必要もありません(最高裁平成16年10月29日判決)。 

3 相続放棄をしても受け取れる

 被相続人が借金をしていたり、連帯保証人となっている場合に、相続放棄をして債務を引き継がないことにしても、その相続人が保険金の受取人に指定されていれば、生命保険金を受け取ることができます。

4 保険金の非課税枠がある

 生命保険金は遺産分割の対象にはなりませんが、税金との関係では、保険料を被相続人が負担していた場合は、相続税の課税対象となります。
 もっともこれについては、非課税枠があり、一定金額以内であれば税金がかかりません。具体的には、「500万円×法定相続人の数」が非課税となります。なお、このときの法定相続人には、相続放棄をした人は含まれません。
 また、これを利用することができるのは、契約者・被保険者が同一人(被相続人)の個人契約に限られます。
 このような生命保険を契約し、「資金を確保すべき相続人(事業承継者である相続人など)を保険金受取人に指定する!」。たったこれだけで、非常に効果的な相続対策が可能となります。

第3 法人契約の場合

 法人契約における保険金は、原則として法人が受け取ります。その保険金について、個人への移転を目的としているか否かによって、その利用方法が異なります。

 相続人である個人へ移転することを予定した保険では「退職金を活用した納税資金対策の原資」として、個人への移転を予定しない保険では、「自己株式買い取り」の資金原資もしくは「事業資金目的」そのものとして、それぞれ利用することが考えられます。

 相続対策や事業承継でお悩みの方は、是非一度法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください。

 

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