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不動産の鑑定をすべきか

不動産の評価額について相続人間で合意ができない場合、最終的には土地家屋調査士などの専門家による「鑑定」を行うことになります。

鑑定を行うかどうかを判断するにあたっては、以下のような点に留意しておく必要があります。 

鑑定費用の負担がある

鑑定を行うか検討する際には、まずは鑑定費用の負担について検討しておく必要があります。
鑑定費用は裁判所が負担してくれるのではなく、相続人が負担する必要があります。

そして、鑑定が始まる前に、裁判所から指示された金額を予め裁判所に納める必要があります。

鑑定費用は、対象となる不動産の数、種類、権利関係の複雑さなどによって金額が異なりますが、1件あたり数十万円程度(おおむね30万円〜50万円以上)かかるケースが多いようです。

このため、鑑定を行うにあたっては、鑑定費用としてそれなりの金額を用意する必要があります。

このようなことから、例えば、当事者が主張する評価額にあまり差がないような場合や、不動産にさほど価値がない場合対象となる不動産が多数あるような場合は、鑑定を行うかについて慎重に検討する必要があります。

鑑定方法の負担方法を決める必要がある

また、鑑定を行うにあたっては、鑑定費用を誰がどのように負担するかについても相続人間で決めておく必要があります。
鑑定費用の負担方法については、以下のような方法を取ることが多いです。

 ①各相続人が法定相続分の割合に応じて負担する
 ②相続人間で合意して遺産である預貯金の一部を払い戻して鑑定費用に当てる
 ③鑑定を強く希望する当事者が一時的に立て替えて支払い、後の遺産分割において清算する

必ずしもこれらの方法に限られませんが、鑑定の前に相続人間で予め合意しておくことが必要です。

鑑定の結果に従う必要がある

鑑定をした場合、基本的にその鑑定の結果に従って遺産分割を行うことになります。

鑑定でその不動産がどう評価されるかについては見通しが難しく、予想以上に高く評価されたり、逆に予想に反して低く評価されるような場合もあります。

このため、相応の鑑定費用を負担したにもかかわらず、鑑定の結果、鑑定前より不利な状況になってしまうこともあります。

このことを踏まえた上で、鑑定をするかどうか判断する必要があります。

鑑定を拒絶したらどうなるか

遺産分割のために、不動産の評価が必要であるにもかかわらず相続人間で合意ができず、さらに「費用がかかるから」等の理由で当事者全員が鑑定の実施を拒絶した場合はどうなるのでしょうか。

この場合、裁判所から調停を取り下げるよう勧告されたり(取下げ勧告)調停を終わらせる措置(「なさず」がとられてしまう可能性があります。

鑑定を避けることも一つの方法

このように鑑定にはリスクがあることから、遺産分割の実務では鑑定をしないことが多いです。

鑑定をしない場合、固定資産税評価額や路線価、査定書などを参考資料として用いながら、当事者間での合意(評価合意)を目指すことが一般的です。
鑑定は、どうしても合意に至らない場合の最終の解決手段とすることが多いと思われます。

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