秘密証書遺言
1.秘密証書遺言とは
遺言の「内容」を秘密にして、遺言の「存在」のみを公証人役場で証明してもらう遺言です。パソコンの使用、代筆が可能(ただし、自筆の署名、捺印が必要) 、封入・封印が必要、2人以上の証人が必要である等が特徴としてあげられます。年間100例程度しかないといわれている珍しい遺言です。
2.メリットとデメリット
【メリット】
・遺言書の「内容」を他人に秘密にしたまま、遺言書の「存在」を明らかにできます。
・遺言書の偽造・変造の心配がほとんどありません。
・費用が定額です(1万1000円)。
・本人による作成であることが証明できます。
【デメリット】
・作成時に公証人を利用しなければならないため、面倒な手続きが必要です。
・公証人は遺言の「内容」まで確認をするわけではないので、遺言としての要件が欠けてしまう場合もあります。
・執行時に家庭裁判所の検認の手続きが必要となります。
・遺言書の滅失・隠匿の心配はあります。
3.お薦めする利用方法
作成費用は抑えながらも一定の信用性を担保したい方にお薦めします。ただし、公証人は遺言の内容まで確認するわけではありませんので、秘密証書遺言を作成する際は、事前に弁護士に内容を確認してもらった方が無難でしょう。
遺言の作成についてお考えの方は、遺言問題に詳しい弁護士にご相談ください。
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弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ
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