名義預金はどのように扱われるのか
名義預金とは

例えば、亡くなった親が、子どもの名義で預金口座を開設してその口座に預金を持っているということがあります。このような預金のことを名義預金といいます。
子どもの名義であっても、実質的には親の財産であるため、このような名義預金を遺産分割でどのように扱うのかが問題となります。
相続人で協議を行う
このような名義預金がある場合は、まずは相続人間で協議を行って扱いを決めることになります。
どのように扱うかについては、大きく以下の2パターンがあります。
⑴ 亡くなった人の預金として遺産分割の対象とする
⑵ 名義人とされた人の預金として扱う
このうち、⑵の名義人とされた人の預金として扱う場合は、亡くなった人から預金の名義人に対して生前贈与があったとして特別受益があったものとして考慮する場合と、考慮しない場合があります。
協議が調わなければ訴訟をする場合も

名義預金が遺産であるかについて、相続人間で協議が調わない場合があります。
口座の名義人が「これは自分の預金である」と主張し、他の相続人が「遺産である」と主張して、話し合いが平行線になる場合です。
相続人間で意見が対立して協議がまとまらない場合は、裁判を起こしてその預金が遺産であるかを決める必要がある場合があります。
その場合は、その預金の管理状況や、誰がその預金のお金を実際に出したのか、名義人がその預金についてどのように認識していたか等の事情から、裁判所が判断することになります。
現在子ども名義で預金をしている場合は

親が子ども名義の口座で預金をしている場合は、将来この預金が遺産であるかをめぐって相続人間で争いになる場合があります。
このような将来の争いが生じないようにするには、どのような対策を取っておけば良いでしょうか。
名義人である子にその預金をあげたいということであれば、明確に書面でそのことを残す方法がおすすめです。
例えば、贈与契約書を作ったり、遺言書の中でその旨を記載する等の方法です。
また、名義人である子にその預金をあげるけれども、遺産分割をするときには、そのあげた預金は考慮せずにそれ以外の遺産を相続人で分けて欲しいという場合もあります。
そのような場合も、そのことを遺言書などの書面で書き遺しておくことが大切です。
具体的には、名義人にその預金を贈与したけれども、それを遺産に持ち戻さずに遺産分割して欲しいというような内容を記載しておきます(持戻し免除の意思表示)。
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