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共有名義の不動産の相続トラブル

不動産を共有にするデメリット

遺産分割において、相続財産である不動産を相続人の共有としておくことはあまりおすすめできません。以下のようなデメリットがあるためです。

不動産が共有の場合とは、土地建物がいずれも共有である場合のほか、土地または建物のどちらから共有である場合も含まれます。

✔ 売却が難しくなる

共有となっている不動産を売却する場合には、共有者全員が売却に合意し、全員が売却手続に関与することが必要となります。

共有者のうちだれか一人でも売却に反対すると、共有不動産を売却することは事実上不可能となります。

法律上は、自分の共有持分のみ売却することも可能ですが、他の共有者に持分を買ってもらうというような場合でない限り、共有持分のみを売却するのは現実的には困難です。

このように、共有不動産は自分一人で売却することができないため、単独所有の不動産に比べて売却することが難しいというデメリットがあります。

✔ 自由に賃貸にできなくなる

また、共有不動産を第三者に賃貸しようとする場合、不動産が共有であると共有者一人では自由に賃貸することができません

共有不動産を第三者に賃貸する場合には、共有持分の価格の過半数の同意が必要となります(民法252条1項「共有物の管理に関する事項」)。

例えば、2人で2分の1ずつの共有持分を持っている不動産の場合、共有者の1人が反対すれば、不動産を賃貸することができなくなります。
また、賃貸する場合には、誰に賃貸するか、賃料はいくらにするか、メンテナンスはどうするか等、決定することが多く、そのたびに他の共有者に連絡しなければなりません。

✔ 利用が制限される

共有者は、共有不動産の全部を単独で使用することができます

他の共有者の同意がなくても共有不動産に一人で住むことができます。
このとき他の共有者は、明渡しを求めることはできません

このように共有名義の不動産は、管理や処分をする際にいちいち共有者間で話し合いを持たなければなりません。

共有者の中に所在不明の人や、話し合いに応じてくれない共有者がいたりすると何もできなくなってしまう可能性があります。

相続で不動産を共有にしない

不動産の共有状態は望ましくありませんが、相続の場合は、遺言がなければ、遺産分割が成立するまでは法定相続人の共有状態となります。

しかし、上述のとおり不動産を共有にしておくのはデメリットが大きいです。

このため、相続開始後、相続人間で遺産分割を行うときに不動産を共有にしないことが大切です。

遺産分割で不動産を共有にしない方法としては、
①相続人の一人が不動産を単独取得する
②不動産を売却して代金を分ける
という方法があります。

このうち、①の相続人の一人が不動産を単独取得する方法は、相続人の一人が不動産を単独取得する代わりに、他の相続人に代償金を支払うという方法で遺産分割を行うものです(代償分割)。

また、相続人全員が不動産の取得を希望しない場合は、不動産を第三者に売却してその売却代金を相続人間で分ける方法で遺産分割を行います(換価分割)。
 

共有となっている不動産を相続した場合

相続した不動産がそもそも共有持分であった場合はどのようにすれば良いのでしょうか。

例えば、父の遺産として自宅不動産があり、その不動産について父母の共有(持分2分の1ずつ)となっているような場合です。

この場合、父の相続人として、母(=父の妻)と子2人がいるとすると、母の法定相続分は2分の1、子の法定相続分はそれぞれ4分の1となります。

このため、不動産の父の持分2分の1について、以下のとり相続することになります。
・母  4分の1(=持分2分の1×法定相続分2分の1)
・子① 8分の1(=持分2分の1×法定相続分4分の1)
・子② 子①と同じ

共有持分について相続すると、このように共有持分が細分化され、共有関係がより複雑化します。

このような事態を避けるため、例えば、父の共有持分は、不動産については、もう一人の共有者である母が相続することにし、不動産を母の単独名義にすることで共有関係を解消する方法があります。

子ども2人が相続放棄をし、不動産の共有持分を含めた父の遺産を母に全部相続させ、その後、母が亡くなったときに、子ども2人で遺産分割を行うという方法も考えられます。

共有者が第三者の場合

また、このとき、相続人以外の第三者と共有となっている場合は、共有分割請求をすることになります。

まずは共有者間で共有の解消に向けた話し合いを行いますが、話し合いがうまくいかない場合は、調停を申し立てたり、共有物分割訴訟をして解決を図ることになります。

このように共有名義の不動産に関して相続が発生した場合、関係者が複数となるため、トラブルとなってしまう可能性があります。

共有関係にお悩みの方は、是非一度法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください。

 

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