遺産分割協議書の雛形を使うメリットとリスクとは

1 はじめに

 インターネットで検索すれば,遺産分割協議書の雛形がたくさん出てきます。これらを使って遺産分割協議書を作成する場合,どのようなメリットとリスクがあるのでしょうか。

 

2 メリット

 なんといってもお金がかからないことです。遺産分割協議書の雛形は,多くの場合無料で入手することができます。そのため,弁護士に依頼する場合の弁護士費用が掛かりません。

 

3 リスク

(1)遺産分割協議書に不備が出るおそれ

 雛形は,あくまで一般的なケースをもとに作成されています。そのため,ご自分の関係している相続が一般的なケースではないにもかかわらず,雛形に当てはめてしまうと,どうしても不備が出てしまうおそれがあります。

 しかしながら,ご自分の関係している相続が,一般的なケースにあてはまる保証はありません。なぜなら,一般的なケースなのかどうかという判断に,相続の専門的な知識が必要だからです。

(2)もし不備があったら?

 遺産分割協議書は,単に遺産分割協議の結果を記載した書面ではありません。預金や証券,不動産などの相続財産について名義変更をする際,この遺産分割協議書を各機関に提出しなければならないのです。また,相続税申告する際にも,遺産分割協議書が必要となります。

 このような名義変更や相続税申告をする際,遺産分割協議書に少しでも不備があると,各機関に受理してもらえないことになります。つまり,遺産分割協議書を作り直さなければ,名義変更や相続税申告ができないということです。

 しかし,苦労の末にまとまった遺産分割協議について,遺産分割協議書をもう一度作り直し署名押印をもらうとなると,相続人同士の争いが再燃し,署名押印をもらえないおそれがあります。

 また,遠方に住む相続人から再び署名押印をもらうというだけでも十分大変です。

 もし,遺産分割協議書を作り直すことが出来ずに,不動産の登記などが亡くなった方の名義のままになっていると,次の世代に苦労をかけることになります。

 

4 遺産分割協議書の雛形を使おうとしておられる方へ

 雛形を使うことに少しでも不安がある方は,ぜひ一度,相続に詳しい弁護士にご相談されることをおすすめします。雛形を使う場合でも,弁護士から雛形通りで大丈夫だという判断があれば,安心して手続を進めていただけると思います。

 

 

稗田 崇宏 弁護士

京都府福知山市出身。京都大学法学部卒,京都大学法科大学院修了。兵庫県弁護士会子どもの権利委員会所属。2019年に保育士資格を取得している。趣味は野球観戦,旅行,書道,恐竜。得意分野・関心のある分野は家事事件,交通事故事件,保育・学校事業,教育事業。


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