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遺産分割協議をしているうちに相続税の申告期限が迫ってきました

質問

 このたび父が亡くなりました。相続人は、母と長男である私、それと妹、弟の4人です。四十九日もおわり、遺産分割協議をしようといざ話し合いを始めたところ、子がそれぞれ父に留学をさせてもらったり、嫁入り道具を多くもらったり、家の頭金を出してもらったり、亡くなる前に父の世話をしていた等、特別受益や寄与分に関する主張をするようになり、話し合いがまとまりません。そのうち相続税の申告期限が迫ってきました。このような場合、相続税の申告について、どのように対応すればよいのでしょうか?

回答

 相続税の申告期限は、相続開始から10ヶ月です。10ヶ月もあれば余裕だろうと思いがちですが、いざ相続が開始してみると、葬儀や四十九日、行政への届出、年金や保険の手続き等、あっという間に時間は経過していきます。ご相談の事例のように、さらに特別受益や寄与分といった問題や、使途不明金の問題が出てきた場合は、相続税の申告期限までに話し合いをまとめることは至難の技といえるでしょう。
 
 このような場合、法定相続人が法定相続分どおりに相続したものとして、「未分割による仮申告」を行い、いったん相続税を納税する必要があります。相続税を誰が負担するか問題となりますが、相続人にはそれぞれ連帯納付義務がありますので、ご注意ください。
 
 その後、遺産分割の協議がまとまれば、まとまった協議内容で改めて申告を行います。相続税を納めすぎていた場合は還付をしてもらい、納税額が少なかった場合には不足分を納税する必要があります。

 未分割のまま申告となった場合、相続税の特例(配偶者の税額軽減の特例、小規模宅地等の評価減の特例、農地の納税猶予の特例、物納)を受けられなくなるおそれがありますので、ご注意ください。

 相続税の申告期限内に納税手続きをスムーズに終わらせるためにも、遺言書を作成しておくことをお勧めします。

 遺言・遺産分割協議の問題に関してお悩みの方は、この問題に詳しい弁護士にご相談ください。

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