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遺産分割の話し合いがまとまらない場合のデメリット

質問

 父が亡くなりました。相続人は、私と弟、妹の3名です。葬儀もすみ、いざ遺産分割の話し合いをしようとしたところ、誰が不動産を相続するのか、賃貸に出すのか売却するのか等、方針がまとまりません。このまま遺産分割の話し合いがまとまらない場合、どのようなデメリットがありますか?

回答

 デメリットとしては大きくわけて4つほど考えられます。

相続財産が塩漬けになるおそれがあること

 遺産分割の話し合いがまとまらない場合、対象財産は相続人の共有状態となるため、相続人
全員の同意がない限り売却等ができません。特に、不動産は賃貸物件にして賃料を取得する等
の有効活用も難しくなります。場合によっては空き家になり、塩漬け状態になることも珍しくありません。火災に備えて火災保険を掛け続けたり、毎年固定資産税や都市計画税を支払い続けることになり、相続人の経済的負担が増すことになります。さらに、その負担を誰が負うのか精算はどうするのかといった新たな紛争を招くこともあります。

②遺産分割調停や審判の手続きをとる必要があること

 遺産分割協議がまとまらない場合、遺産分割を成立させようとするには、管轄の家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる必要があります。遺産分割調停は、1、2ヶ月に一回の割合で平日、家庭裁判所に赴き、数時間話し合いをすることになります。家庭裁判所の管轄は、被相続人の最終住所地となるため、場合によっては、相続人が住む場所から遠く離れた遠方の家庭裁判所に赴かなければならないおそれもあります。調停の期間は、早ければ数ヶ月で終わりますが、数年に及ぶことも珍しくありません。調停が成立しない場合は、審判手続きに移行し、さらに審理は長引くことになります。

③相続税の特例が受けられないおそれがあること

 相続税の申告期限は、相続開始から10ヶ月以内です。この期限までに遺産分割の話し合い
がまとまらなければ、法定相続人が法定相続分どおりに相続したものとして、「未分割の仮申告」
を行う必要があり(相続財産が課税金額を超える場合)、場合によっては、配偶者控除の特例等の相続税の特例が受けられないおそれがあります。

④相続人間の仲が断絶するおそれがあること

 何よりつらいのが、相続人間の仲が断絶するおそれがあることではないでしょうか。これまで仲良くしてきた親や兄弟、親戚が相続を境に断絶してしまうことはままあります。お亡くなりになられた方もそのようなことは願っていないはずです。相続を「争続」としないためにも、生前から遺言書を作成し、相続税対策をしっかりとする等、相続対策を怠らないようにしましょう。

 遺言・遺産分割の問題に関してお悩みの方は、この問題に詳しい弁護士にご相談ください。

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