神戸・姫路の弁護士による相続相談弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ(兵庫県弁護士会所属)神戸駅1分/姫路駅1分

親族への建物明渡請求

1.はじめに

相続人の1人が相続財産である建物に居住している場合,他の相続人は退去を求めることはできるのでしょうか。

2.被相続人の遺言が存在せず遺産分割協議を行っていない場合

まず,被相続人の遺言が存在せず遺産分割協議を行っていない場合は,相続財産は相続人全員の共有となり,相続人それぞれに相続財産である建物を使用する権利があります。そのため,建物を使用している相続人に対して,他の相続人が賃料を請求したり,建物からの退去を求めたりすることはできません。

そこで,相続人に建物から退去してほしいときは,まず相続人全員で遺産分割協議を行いましょう。そして,その建物を誰が取得するか決めてください。建物を取得した相続人は,取得しなかった相続人に対して,建物の使用を拒むことができ,退去を求めることができます。

3.被相続人の遺言が存在する場合

被相続人の遺言が存在する場合は,原則として遺言の内容のとおりに遺産が分割されます。遺言で,相続財産である建物を特定の相続人に相続させるとの記述があれば,当該相続人が建物を取得し,他の相続人に対して建物の使用を拒むことができます。

4.まとめ

遺言があっても,場合によっては遺言が一部又は全部無効となる場合があります。相続が発生して何か問題が生じた場合は,どのようにして相続の手続きを進めていけばよいか等を含め,ひとまずこの分野に詳しい弁護士にご相談ください。