第三者に対する権利保護②

質問

相続によって債権を取得しました。対抗要件を備えたいのですが,他の相続人や債務者が非協力的です。どうすればよいですか?

回答

遺言や遺産分割の内容を明らかにすれば,相続人単独で通知することで,対抗要件を備えることができます。

相続によって債権を取得した場合,法的には債権譲渡が生じています。そのため,①譲渡人が債務者に通知をするか,②債務者が承諾するかしなければ,対抗要件を備えられませんでした。

しかし,①の「譲渡人」とは,相続の場合共同相続人全員を意味します。そのため,他の相続人が協力してくれない場合,①の方法は使えません。また,②の方法も,債務者が承諾してくれなければ使えません。

そこで,平成30年相続法改正により,債権を取得した相続人単独で対抗要件を備えることができる方法が創設されました。すなわち,③債権を取得した相続人が,遺言又は遺産分割の内容を明らかにして債務者に通知することによって,対抗要件を備えることができるとされたのです(民法899条の2第2項)。

遺言の内容を明らかにする方法としては,遺言書の原本,正本,謄本等を提示する方法がまず考えられます。また,自筆証書遺言の場合は,家庭裁判所で検認する際に検認調書に添付された遺言書の写しでも代替可能です。さらに,遺言書保管制度を利用した場合には,遺言書保管官が発行する遺言書情報証明書を提示することでも足ります。

 

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