亡父についての遺産分割協議を実質的に無効とし,亡母の遺産分割について現物分割を行った例
依頼者 60代
相手方 兄弟
遺産の概要 不動産(複数),預貯金等
争点
①亡父についての遺産分割協議が無効となるか
②特別受益が認められるか
③亡母の遺産についての分割方法(不動産の現物分割)
ご依頼の経緯・ご要望
・亡父の遺産である不動産について相続登記がされているが,偽造された遺産分割協議書によって登記されたおそれがあるから,この相続のやり直しをしたい。
・他の相続人が,亡母から相当額の生前贈与を受けているため特別受益を主張したい。
・主な遺産が不動産であり複数あるため,遺産分割協議がまとまらない。
解決のポイント
・亡父の遺産である不動産について,すでに一人の相続人が取得する内容の相続登記がなされていましたが,これが偽造された遺産分割協議書によって登記されたものである旨を主張し,遺産分割調停の中で,この亡父の不動産についても実質的に亡父の遺産として遺産分割調停の対象とすることができました。最終的にこの不動産の一部について別の相続人が取得することになりましたが,すでになされていた相続登記を錯誤により抹消し,新たな相続登記を行いました。
・亡母の遺産分割について,一人の相続人が亡母から相当額の生前贈与を受けていた様子であったため特別受益を主張しました。証拠等の不足により主張が全部認められることはありませんでしたが,その相続人が一部を認めたためそれを考慮する形で調停を成立させました。
・亡父及び亡母の遺産の多くが不動産であり,収益物件も複数存在したため,一人の相続人がそれを取得すると非常に高額な代償金を支払うことになると思われました。このため土地の一部を分筆して,複数の相続人が不動産を取得することにして,支払可能な代償金の金額に調整しました。
・論点が複数あり,実質的に亡父及び亡母2名の遺産分割であったため解決に長期間を要しましたが,依頼者様のご要望に概ね沿うような形の結果となりました。
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